新海特別主幹教授らが少量の尿や血液からがん診断を可能にする蛍光センサーを開発しました

高等研究院の新海征治特別主幹教授と野口誉夫特任助教(工学研究院)が、がんの指標となる多糖物質を簡単に検出する蛍光センサーを開発しました。

がんの診断には、様々な検査が必要ですが、血液検査や画像診断に加え、メスを使って一部を切除するなどして採取した細胞・組織を、顕微鏡で観察する病理検査・病理診断が行われています。(※1)この検査は、体力的にも金銭的にも患者への負担が大きく、現在、多くの研究者がより簡単な診断を実現するための研究を進めています。

新海特別主幹教授らは、がん細胞が発現すると、生体内の多糖物質(グリコサミノグリカン)が尿や血液に漏出する特性を利用し、多糖物質と反応して蛍光発光する凝集誘起発光型のセンサーを独自に開発しました。これまでも同様の検出方法はありましたが、スクリーニング処理が難しいなど、技術や予算の制約がありました。新海特別主幹教授らが開発した方法であれば、検査は試薬に混ぜるだけで済むため、特別な装置や廃液処理は不要となります。また、化粧品や工業廃液の検査にも利用可能です。今後、この方法は医薬品メーカーへの特許移転後、試薬販売の予定があり、実用化に向けて大きな期待がかかります。(※2)

【出典】
※1 「がんになったら手にとるガイド『がんの検査と診断のことを知る』」
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター
http://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-02.html
最終アクセス 2016年6月1日

※2 2016年5月19日(木) 日刊工業新聞1面

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