新海 征治 (Seiji SHINKAI)

新海 征治 (Seiji SHINKAI)

九州大学高等研究院 特別主幹教授


専門分野
超分子化学・分子認識・機能性高分子

「分子機械」の先駆的研究

メッセージ

種々の社会指標となる統計データを観ていると、“Japan as number one” と言われた1980年代をピークに、日本社会は後退期に入っているように感じられます。このような状況を打破するエネルギーは、若い世代が持つ溌剌とした感性に秘められていると私は考えています。それだけに、次世代を担う優れた人材を育成することの重要性が益々増大しているのは間違いありません。

ところが、一年半が経過した平成21年10月に、九大に新たに創設される高等研究院の特別主幹教授に就任するようにという招聘状が舞い込みました。さてどうしたものか?

新海 征治 (Seiji SHINKAI)

前向きの決断を後押ししたのは、「現在の閉塞感を打ち破るには、若手人材育成に通じる研究・教育環境の本質的改革が不可欠」というかねてからの信条でした。現在、日本社会の後退を食い止めるための試みが幾つか実施されています。これらは一定の効果は発揮してはいますが、私は対症療法の域を出ないものが多いように感じています。より本質的な療法は研究・教育環境を出発点から整え直すことではないかと考えます。これは時間とエネルギーがかかる方策ですが、結果的には一番の早道であり、本質的な解決に繋がっているはずです。

結論として、高等研究院における特別主幹教授のミッションは、かねてより私の頭の中で回遊していた考え方と合致するように思います。限られた私の能力と時間で、どこまでミッションが達成できるか自信はありませんが、努力をしてみたいと考えています。

学歴

昭和42年 3月

九州大学工学部合成化学科卒業

昭和47年 3月

九州大学大学院工学研究科合成化学専攻博士課程修了(工学博士)

職歴

昭和47年 4月

九州大学工学部講師

昭和47年 4月~昭和49年 2月

カリフォルニア大学サンタバーバラ校化学科博士研究員

昭和50年 4月

九州大学工学部助教授

昭和51年12月

長崎大学工学部助教授

昭和62年 7月

九州大学工学部助教授

昭和63年11月

九州大学工学部教授

平成21年10月

九州大学高等研究院特別主幹教授

平成30年 4月

(公財)九州先端科学技術研究所 最高顧問

学術賞・受章

昭和60年度

高分子学会賞「応答機能を持つクラウンエーテルとその高分子薄膜化に関する研究」

平成15年度

日本化学会賞「分子認識に基づく機能性超分子システムの創製」

平成16年度

紫綬褒章

平成18年度

東レ科学技術賞

平成29年度

瑞宝中綬章

平成30年度

文化功労者

主要業績

  • Ono, F., Shinkai, S. & Watanabe, H. High Internal Phase Water/Oil and Oil/Water Gel Emulsions Formed Using a Glucose-Based Low-Molecular-Weight Gelator. New J. Chem. 42, 6601-6603 (2018).
  • Roy, B., Noguchi, T., Yoshihara, D., Sakamoto, J. & Shinkai, S. A Facile Supramolecular Approach towards Strategic Fluorescence Switching and Recognition-Controlled Photoreduction. ChemPhotoChem 2, 67-71 (2018).
  • Yoshihara, D., Noguchi, T., Roy, B., Sakamoto, J. & Shinkai, S. Design of a Hypersensitive pH-Sensory System Created by a Combination of Charge Neutralization and Aggregation-Induced Emission (AIE). Chem. Eur. J. 23, 17663-17666 (2017).
  • Noguchi, T., Roy, B., Yoshihara, D., Sakamoto, J., Yamamoto, T. & Shinkai, S. A Chiral Recognition System Orchestrated by Self-Assembly: Molecular Chirality, Self-Assembly Morphology, and Fluorescence Response. Angew.Chem. Int. Ed. 56, 12518-12522 (2017).
  • Roy, B., Noguchi, T., Yoshihara, D., Sakamoto, J., Yamamoto, T. & Shinkai, S. Adaptive Self-assembly Behavior Restrained by Supuramolecular Crystallization and Molecular Recognition. Chem. Eur. J. 23, 1937-1941 (2017).
  • Sakamoto, J., Kita, R., Duelamae, I., Kunitake, M., Hirano, M., Yoshihara, D., Yamamoto, T., Noguchi, T., Roy, B. & Shinkai, S. Cohelical Crossover Network by Supramolecular Polymerization of a 4,6-Acetalized β-1,3-Glucan Macromer. ACS Macro Lett. 6, 21-26 (2017).
  • Tuchiya, Y., Noguchi, T., Yoshihara, D., Roy, B., Yamamoto, T. & Shinkai, S. Conformation Control of a Conjugated Polymer through Complexation with Bile Acids Generates Its Novel Spectral and Morphological Properties. Langmuir 32, 12403-12412 (2016).
  • Yoshihara, D., Noguchi, T., Roy, B., Sakamoto, J., Yamamoto, T. & Shinkai, S. Ratiometric Sensing of D-Glucose in a Combined Approach of Aggregation-induced Emission (AIE) and Dynamic Covalent Bond Formation. ChemLett. 45, 702-704 (2016).
  • Roy, B., Noguchi, T., Yoshihara, D., Yamamoto, T., Sakamoto, J. & Shinkai, S. Amplified Fluorescence Emission of Bolaamphiphilic Perylene-azacrown Ether Derivatives Directed towards Molecular Recognition Events. PCCP 18, 13239-13245 (2016).
  • Noguchi, T., Roy, B., Yoshihara, D., Sakamoto, J., Yamamoto, T. & Shinkai, S. Emergent Molecular Recognition through Self-Assembly: Unexpected Selectivity for Hyaluronic Acid among Glycosaminoglycans. Angew. Chem. Int. Ed. 55, 5708-5712 (2016).